24.10.12

Frieze 其の一

Frieze Art Fair。
毎年、世界中から120を超えるギャラリーが紅葉色づくロンドンに集まります。

そして、今年から新しくFrieze Mastersも加わりスケールアップ!





で、Frieze Mastersって一体なんなの、と言いますと、これはコンテンポラリーアートがメインのFrieze Londonの兄弟として、ファインアートを多く扱うギャラリーを集めたアートフェア。「もっとコンテンポラって良いよ」という粋なアニキのハカライが今年、生まれた訳ですね。

1日で果たして2つの会場を見てまわれるのか。。という不安を抱きつつも最終日に参加。
今年は事前にネットでチケットを買っていたので並ばずすんなり入れました。去年はそれでだいぶと時間をロスしたの。。。ネットで買うメリットはいくつかあって、①自宅でチケットを印刷すれば並ばず入場。②FriezeとFrieze Mastersのコンビチケットはネットでしか買えない。③学生証の有効期限が切れていたけど気にせず学生料金で入場。という。
すでにスケジュールに組んでいる人は絶対に買ってから行くべきだと思います。


まずはMastersへ。


オーストリアのギャラリー「Wienerroither&Kohlbacher」にはシーレやクリムトのドローイング。
クリムトのドローイングを間近で見たのはこれが初めて。線で描かれた女性がほんとにきれいだったーーー。







1950年のAndy Warholのドローイングだけを集めた、ミュンヘンとロンドンにギャラリーをもつ「Daniel Blau








"n.t (Boy looking up)"





"n.t (Portrait of a man)"



この作品...竹中直人か、田中要次か。あ、好きな俳優さんです。




やっぱりドローイングが好きなワタシ。。。と振り返ってみて思ったのでした。



でも、写真を中心としたロンドンのギャラリー「Eric Franck」がとても良かったです。今回のMastersで誰の作品が展示されていたのかは正直覚えていませんが。笑 どれもすてきだわーーーーと思いながら見ていたのは確かです。ちなみに、京都の写真家・故浅野喜市氏もこちらのギャラリーに所属していて、他にはEnzo SellerioやLottie Daviesなどなど、ワタシの心掴む写真家が多いんですーー、ここ。




それから、1960年代に日本で発足した『もの派』をフューチャーしたこちら。





「自然」と「人工」が融合されてできた「もの」に対する新しい概念の構築、というテーマのもと、関根伸夫やリ・ウーファン、菅木志雄らによって創られた作品がギャラリー「BLUM&POE」で展示されていました。


こんなところで『もの派』の作品を見れると思っていなかったのでびっくり!壁には、『もの派』とは一体何か、というキャプションも書かれていました。こうやって日本の何かが紹介されているのを見るとやっぱり嬉しいワタシ。




そんなこんなで、Masters良いやん!と、満足。



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そして初めて歩いたRiegent Park内。




お天気に恵まれていたので、休憩を兼ねて公園内をお散歩。
すると見たことある作品が。。。





今年のdOCUMENTAにもあった、Anri Saraの"A Clock"。
ちょっと、真正面から撮ってよと言われそうですが、真正面がどこなのか分からない作品ですのでご了承願います。


2つの会場との間にはFrieze Sculpture Park。





草間のお母さんもやっぱりおりましたです。






そしてFrieze Londonへ、


つづく。





















23.10.12

濡れない雨

ロンドンのBarbican centerで体験できる、濡れない雨がおもしろかったです。






2005年にStuart Wood、Florian Ortkrass、Hannes Kochの3人が立ち上げたrAndom。光や動作によって生まれる反応や相互作用に特化する彼らが新しく提案するインスタレーションがこちらの"Rain Room"。一瞬一瞬を雨と自分がコミュニケーションしているようで、「雨と会話してる!」って感じたこの作品。自分が好き勝手動いても雨はちゃんと答えてくれず濡れちゃうのだけど、相手にちゃんと伝えようという想いで自分が接すれば、雨には濡れない。そんな風にワタシは捉えたのだけど、他の人はどうだったんだろう?たぶんそれも、この雨との接し方次第でひとりひとり違うんだろうなあ。
とにかく、2時間半並んだかいがありました。笑



Nick Knightの花

MayfairにあるギャラリーShopでは今、Nick Knightの"Flora"シリーズを公開中。






ま、ここ、彼のギャラリーなんですけどね。

2000年11月にNick Knightが立ち上げた、fashion filmを中心とした、fashionにまつわるあらゆるcreativityと人々を繋ぐオンラインのプラットフォーム"SHOWstudio"
ここShopは、ハイファッションやアート、デザインを展示するための場。


そのShopにて、12月21日まで開催される展覧会"Flora"がすてきなんです。
1993年にNickがロンドン自然史博物館で行ったインスタレーション、"Plant Power"
これは、自然史博物館に貯蔵されている6万種を超える中から選んだ植物を、Nickが3年半かけてマッピングしたもの。
そして15年の時を経て世に出たこちらの"Flora"という作品は、その中(オリジナルは46種類)から選んだ15種類の作品を集めたポートフォリオ。






Nickが少しだけこれについて語っている動画を発見。








たまたま同じタイミングでギャラリーに入ったおばあちゃん。目が合った瞬間に、「美しい作品ね〜。パーフェクトだわ。」というおばあちゃんの感想から始まり、このあと2人であれこれ作品についておしゃべりしたのでした。笑
とにかくもう、色がきれい。フォトグラファーのNickが最も注力しているのがプリント。こちらの作品も最新の技術と最高のクオリティで仕上がっていて、350年はこのままをキープできるんだとか。





ちなみに全然違う日に、お手洗いを借りるためだけに(ごめんなさい。笑)入ったロンドン自然史博物館。こんな、アトラクションチックな内装だとは知らず、思いのほかワクワクしたのでした。そのままワクワクひきずって長居しちゃったのでした。


16.10.12

ポスト・フィッシュ&チップス

ランチタイムにロンドンに到着、まっすぐ向かったのがBurger and Lobster




先日までロンドンに訪れていた友人いちおしのココ。いつもやたらと混んでいて、ランチタイムには行列もできちゃうとか。ワタシは時間的にちょっと早かったので並ばずにすんなり入れちゃいました。
メニューは3つのみ。ロブスター。ロブスターロール(サンドウィッチ)。バーガー。どれも£20。バーカウンターがあって、お酒の種類も豊富。みなさまお昼間からバーガー片手にスコッチ。もーう、ロンドン〜なんて思いながらビールを頼むドイツ在住。
ここはいっちょロブスターをオーダーして(blog的に見栄えになるし)、、、なんて考えながらも、身を殻からはがすのが大の苦手&めんどくさいのでロールをオーダー。笑 案の定、見栄えする写真は撮れず。
が、そんなのおかまいなしのおいしさ!サイドにはサラダとフライドポテト、それとサンドウィッチにかけるレモン×ガーリックバターソース。このmelted butterにやられました。おいしすぎました。(この後、バターかけすぎで胃もやられましたが)
つい先日、ここMayfairに次いでSohoにもお店がopen。
魚介類食べたいけどフィッシュ&チップスは嫌だ。という方はぜひこちらのロブスターを。




ちなみに、お店オリジナルのコミックを発見。マーベル的雰囲気むんむん。でもロシア語だったから全然読めなかったんですけどね。







10.10.12

犬好きに、憂いなし?

とある休日。
ベルリンから車で30分。
ポツダムへ行ってきました。

と、余談ですが、実はこの前夜にもポツダムへ。
Nikolaisaalで行われた、坂本龍一とAlva Notoのコンサートに行ってきたのです。
このNikolaisaalは2000年にフランス人建築家Rudy Ricciottiによって新しく生まれ変わり、その空間で奏でられる音の響き、つまりは音響が本当に素晴らしいとドイツでもちょっと有名みたいです。
前回、ワタシが教授のコンサートに参加したのが昨年の秋(だったはず)。ハンブルクで開催されたチェロとバイオリンデュオとの共演。これがもーー素晴らしくて。ちなみに、このトリオ、今冬に日本と韓国でツアーがありますよー。ワタシはその頃まだベルリン。。。残念。
で、ドイツ人現代音楽家のAlva Notoとのツアーも去年はベルリンでも開催されて、行った友人によると「とても良かった!」と。なので次もし機会があったら絶対に行くと決めていたので、運良く前日にこのコンサートがあることを知りドイツ人の友達を誘って見に行ってきました。が、うーーーーん。ただ単に、ワタシの趣向には合わなかったという単純明快な「微妙だった」という感想。CDで聴くのは大好きなんだけどなあ。きっとあの電子工学的音とピアノの音のレイヤーが違いすぎて、水に油注いでるような感じが猛烈にワタシは受け入れられなかったという。はい。よく分からなかったんですね、正直。ただCDになると音が限りなく一線上に集まろうとしてるでしょう?そんなことない?だからなんとなくそんなに違和感はないんだけど。。。
...でも会場で聴いたようなものが、先いく人たちの、これからの音なのかしら。ふむ。



ポツダムに行ったよ!っていう話でしたね。戻します。


いろーーーんな人から「ポツダムはほんまに良いところ!」と、太鼓判押されまくりだったので、いかなるものかと思いつつも、いつもここで期待して裏切られるということを過去25年間(と、つい前日の夜)に小さなおつむが学習していたので、わくわくを最小限にキープしながら向かいました。


一緒に行った友人もポツダムに詳しいわけではなく、とりあえずサンスーシー行っとく?的なノリでサンスーシー宮殿へ。




着いてみると、
まーすてき!

いまにもエンジェルちゃんたちが降りてきそうなその雲の合間から注がれるお日様がとっても気持ち良くて「うん、良いとこや」とまだ噴水しか見ていないのに、あっさりみんなの意見を受諾。


そして歩く歩く。ひたすら庭園の中を歩く。っていうか迷子。

気付いたらふつーの住宅街に出てしまったワタシたち。とりあえずおコーヒーでも飲もうとなりカフェへ。
テラス席がいっぱいだったのだけど、天気が良いのに中に座るなんてありえない!と強引に、ひとりで白ワインと新聞を嗜むおにいさんのテーブルに相席させてもらうことに。
ワタシがカメラを触りながら良い写真が1枚も撮れていないことにうんざりしていたら、そのおにいさんが「写真好きなの?」って話しかけてくれて、「好きだけど、全然うまく撮れなくて」って、てへぺろ的に発言したにも関わらずワタシの話には全然興味がないらしく、勝手に人の写真をパチリ。
写真に撮られることが大の苦手のワタシになんの承諾もなしに撮るなんてと呆れていたらおにいさんが、「これかけて」と、ワタシに手渡したもの、それは3Dメガネ。

青と赤のフィルムのついた限りなくクオリティの低い紙製のあれです。

これです。




え〜まさか〜
と、おにいさんが撮った写真をこのメガネをかけて見てみると思った通りの3D。笑
そして、TOSHIBAの3Dカメラを嬉しそうに解説してくれました。
さすがジャパンだね!と、褒められてるんだかなんだか分からない複雑な心境でとりあえずサンキューと言ったが、ワタシはあの(時間や物質や全てのものが)フラットであるからこそ生まれる深さや奥行きを感じることのできる写真というものに心惹かれているので、正直、3Dとかいうものがイチミクロも良いと思えない。
そういえばワタシのオパ(祖父)も、3Dテレビが発売開始されて我先にと購入していたけれど、(当時SONYの3Dメガネはひとつ10000円くらいしたはず。ワタシは「いらない」と反対した。笑)そのメガネ、重いし暗いし、しまいには気分悪くなるしというどうしようもない始末。
「やっぱ普通でいいよね」っていう結論を出すのに時間はかからなかった。実際にいまのテレビ市場もそれを物語っているんじゃないのかしら?売れてるのかしら?ま、テレビも見ないし興味ないけど。


「ぼくのwebで写真みれるから!」と、さわやかにそのメガネをくれたおにいさん。
後日ちょっと検索してみると、おにいさんが「3Dフォトグラファー」ということが判明いたしました。



話がややずれました。

そもそもポツダムに着いたのが15時すぎ、カフェでかれこれ2時間。
で、やっと見つけた宮殿らしきもの。そして人も入れる様子を確認。




こちらが、新宮殿。サンスーシ庭園の中にいくつかある宮殿のひとつ。
どうやらメイン?のサンスーシ宮殿は、噴水にはしゃいでいるあいだにスルーしてたみたいです。

ちなみにこのサンスーシという名前はフランス語で「憂いなし」という意味だそう。

ここ新宮殿では10月28日までフリードリッヒ2世の生誕300年を記念した展覧会が開催されています。この中を見たかったワタシは迷わず入場。そしてその展覧会、想像を超えてとてもおもしろかったです!!!
フリードリッヒ2世のセンスの良さ、犬好きなこと、そして生活スタイルとそれを取り巻く人間関係などの歴史が、分かりやすく展示されていました。
オーディオガイドの解説も、ただ事実をべらべら語るんじゃなくて、ちょっとしたジョークやユーモアなの、そこからもフリードリッヒ2世がどんなキャラクターだったのかが伝わっておもしろかったです。
展示方法も、テーマごとに色分けされていてとってもシンプル。タイポグラフィやデザインもすてきでした。よくある「歴史の陳列」ではなく、「見せる、伝える、そして魅せる」がそこにはあって、たくさんの人が楽しめるんじゃないかと思いました。

「伝える」を学びたいワタシとしては、とっても参考になったのでした!








あっというまに時間は過ぎ、サンスーシ庭園は昼間とは違うしっとりとした空間に。
さりげなく撮った写真が、ワタシの大好きなドイツ人アーティストLotte Reinigerの作品のようでちょっと嬉しくなっちゃった。






ポツダム、
今度はまた違う場所にも遊びに行ってみよーっと。