10.10.12

犬好きに、憂いなし?

とある休日。
ベルリンから車で30分。
ポツダムへ行ってきました。

と、余談ですが、実はこの前夜にもポツダムへ。
Nikolaisaalで行われた、坂本龍一とAlva Notoのコンサートに行ってきたのです。
このNikolaisaalは2000年にフランス人建築家Rudy Ricciottiによって新しく生まれ変わり、その空間で奏でられる音の響き、つまりは音響が本当に素晴らしいとドイツでもちょっと有名みたいです。
前回、ワタシが教授のコンサートに参加したのが昨年の秋(だったはず)。ハンブルクで開催されたチェロとバイオリンデュオとの共演。これがもーー素晴らしくて。ちなみに、このトリオ、今冬に日本と韓国でツアーがありますよー。ワタシはその頃まだベルリン。。。残念。
で、ドイツ人現代音楽家のAlva Notoとのツアーも去年はベルリンでも開催されて、行った友人によると「とても良かった!」と。なので次もし機会があったら絶対に行くと決めていたので、運良く前日にこのコンサートがあることを知りドイツ人の友達を誘って見に行ってきました。が、うーーーーん。ただ単に、ワタシの趣向には合わなかったという単純明快な「微妙だった」という感想。CDで聴くのは大好きなんだけどなあ。きっとあの電子工学的音とピアノの音のレイヤーが違いすぎて、水に油注いでるような感じが猛烈にワタシは受け入れられなかったという。はい。よく分からなかったんですね、正直。ただCDになると音が限りなく一線上に集まろうとしてるでしょう?そんなことない?だからなんとなくそんなに違和感はないんだけど。。。
...でも会場で聴いたようなものが、先いく人たちの、これからの音なのかしら。ふむ。



ポツダムに行ったよ!っていう話でしたね。戻します。


いろーーーんな人から「ポツダムはほんまに良いところ!」と、太鼓判押されまくりだったので、いかなるものかと思いつつも、いつもここで期待して裏切られるということを過去25年間(と、つい前日の夜)に小さなおつむが学習していたので、わくわくを最小限にキープしながら向かいました。


一緒に行った友人もポツダムに詳しいわけではなく、とりあえずサンスーシー行っとく?的なノリでサンスーシー宮殿へ。




着いてみると、
まーすてき!

いまにもエンジェルちゃんたちが降りてきそうなその雲の合間から注がれるお日様がとっても気持ち良くて「うん、良いとこや」とまだ噴水しか見ていないのに、あっさりみんなの意見を受諾。


そして歩く歩く。ひたすら庭園の中を歩く。っていうか迷子。

気付いたらふつーの住宅街に出てしまったワタシたち。とりあえずおコーヒーでも飲もうとなりカフェへ。
テラス席がいっぱいだったのだけど、天気が良いのに中に座るなんてありえない!と強引に、ひとりで白ワインと新聞を嗜むおにいさんのテーブルに相席させてもらうことに。
ワタシがカメラを触りながら良い写真が1枚も撮れていないことにうんざりしていたら、そのおにいさんが「写真好きなの?」って話しかけてくれて、「好きだけど、全然うまく撮れなくて」って、てへぺろ的に発言したにも関わらずワタシの話には全然興味がないらしく、勝手に人の写真をパチリ。
写真に撮られることが大の苦手のワタシになんの承諾もなしに撮るなんてと呆れていたらおにいさんが、「これかけて」と、ワタシに手渡したもの、それは3Dメガネ。

青と赤のフィルムのついた限りなくクオリティの低い紙製のあれです。

これです。




え〜まさか〜
と、おにいさんが撮った写真をこのメガネをかけて見てみると思った通りの3D。笑
そして、TOSHIBAの3Dカメラを嬉しそうに解説してくれました。
さすがジャパンだね!と、褒められてるんだかなんだか分からない複雑な心境でとりあえずサンキューと言ったが、ワタシはあの(時間や物質や全てのものが)フラットであるからこそ生まれる深さや奥行きを感じることのできる写真というものに心惹かれているので、正直、3Dとかいうものがイチミクロも良いと思えない。
そういえばワタシのオパ(祖父)も、3Dテレビが発売開始されて我先にと購入していたけれど、(当時SONYの3Dメガネはひとつ10000円くらいしたはず。ワタシは「いらない」と反対した。笑)そのメガネ、重いし暗いし、しまいには気分悪くなるしというどうしようもない始末。
「やっぱ普通でいいよね」っていう結論を出すのに時間はかからなかった。実際にいまのテレビ市場もそれを物語っているんじゃないのかしら?売れてるのかしら?ま、テレビも見ないし興味ないけど。


「ぼくのwebで写真みれるから!」と、さわやかにそのメガネをくれたおにいさん。
後日ちょっと検索してみると、おにいさんが「3Dフォトグラファー」ということが判明いたしました。



話がややずれました。

そもそもポツダムに着いたのが15時すぎ、カフェでかれこれ2時間。
で、やっと見つけた宮殿らしきもの。そして人も入れる様子を確認。




こちらが、新宮殿。サンスーシ庭園の中にいくつかある宮殿のひとつ。
どうやらメイン?のサンスーシ宮殿は、噴水にはしゃいでいるあいだにスルーしてたみたいです。

ちなみにこのサンスーシという名前はフランス語で「憂いなし」という意味だそう。

ここ新宮殿では10月28日までフリードリッヒ2世の生誕300年を記念した展覧会が開催されています。この中を見たかったワタシは迷わず入場。そしてその展覧会、想像を超えてとてもおもしろかったです!!!
フリードリッヒ2世のセンスの良さ、犬好きなこと、そして生活スタイルとそれを取り巻く人間関係などの歴史が、分かりやすく展示されていました。
オーディオガイドの解説も、ただ事実をべらべら語るんじゃなくて、ちょっとしたジョークやユーモアなの、そこからもフリードリッヒ2世がどんなキャラクターだったのかが伝わっておもしろかったです。
展示方法も、テーマごとに色分けされていてとってもシンプル。タイポグラフィやデザインもすてきでした。よくある「歴史の陳列」ではなく、「見せる、伝える、そして魅せる」がそこにはあって、たくさんの人が楽しめるんじゃないかと思いました。

「伝える」を学びたいワタシとしては、とっても参考になったのでした!








あっというまに時間は過ぎ、サンスーシ庭園は昼間とは違うしっとりとした空間に。
さりげなく撮った写真が、ワタシの大好きなドイツ人アーティストLotte Reinigerの作品のようでちょっと嬉しくなっちゃった。






ポツダム、
今度はまた違う場所にも遊びに行ってみよーっと。






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